ハルビン工業大学でビジネスマン、学者、大学院生などを対象に講演をしてきた。題名は「論語と算盤」。両方とも昔中国から伝来したものだ。次のようなことを話した。
1.1955年大学新入生のころから、日中関係の将来に関心をもっていた。第二外語も当時全然人気がなかった中国語を選択した。以来60年公私ともに日中関係のウォッチャーを自任している。当時は個人で事業を起こす起業よりも会社に入り仕事をするのが普通だった。中国と将来関係が深くなりそうな業種、鉄鋼、銀行、商社、海運、機械などの会社を考えていたがコマツに入ったのは偶然のなせる業。
2. 学生時代、明治の経済人“渋沢 栄一”の伝記にふれ、論語と算盤という彼の思想に共鳴した。また母校の大学は経済人育成のために明治時代に創設され、役人になる人はまれでほとんどの卒業生が経済人を志した。創立の精神は五大州に雄飛せよ。今日の言葉に直せば、経済倫理とグローバル。
3. 小松での成功と失敗の話をした後、中国のグローバル企業への私の助言として、
(A)「世界は一つではない」。この現実を認め、自分たちを取り巻く世界の多様性を認容し、その中で自己の独自性を実現していくことが必要。
(B)中華思想をやみくもに広げるだけでは今日の世界はついてこない。
講演終了後夕食時の懇談で、最近の日本で田中角栄首相の「決断と実行の政治」の人気が復活していると私が話したのに対し、ある中国人が田中角栄さんは日中国交回復の決断をした人として中国で尊敬されていると応じた。ひとしきり両国の政治と経済の関係の議論の中で、私は、戦後の日本経済の発展は政治の民主化にその基礎があるとの持論を話した。先方の一人が、“もし日本が一党独裁の政治ができれば、決断と実行が今まで以上に進み強力な国になるのにね”“中国で政治の民主化を急ぎ過ぎると、国土広大、人口の多い中国では大混乱となることを懸念する一般中国人がまだ少なくないのだ”と応じた。
アメリカの大統領選挙、英国とEUの関係、日本の参議院選挙、日中関係の将来も世界の政治と経済の動きに影響される。政治の世界は理利情に左右される、理(理念、理屈、理想)利(利益、既得権益、世代間利益)情(義理と人情、情報)。政治家志望だった子供のころ政治家には向いていないから、実業家を目指せと先生に諭された私だが、議論ばかりで決断と実行不足の今の日本はどうなっていくのかな?理・利・情・のバランスの上で日本の課題の決断と実行の行く末を考えさせられた黒竜江省への旅であった。
今天发表上次“黑龙江省的日中交流活动简要”的续篇。
在哈尔滨工业大学,我向商业人士、学者、研究生等到场者进行了题为“论语和算盘”的演讲。其实论语和算盘这两者都是从中国传入的。我的演讲概要如下:1.1955年进入大学之际,我便关注着日中关系,并选择了当时还不太人气的中文选第二外语。那之后60年里,无论公私我都自负为日中关系观察家。当时比起个人创业,人们通常选择进入公司工作。所以我便考虑进入将来有可能与中国深化关系的行业,如钢铁、银行、商社、海运、机械等公司,不过由于一个偶然的机遇而进入了小松。
2. 在学生时代,我读了明治时代的经济家渋沢栄一的传记,对他的论语和算盘思想产生了共鸣。另外我的母校大学也是在明治时代为培育经济型人才而设立,希望进入政府机构工作的人极少,绝大多数都立志毕业后进入商界工作。大学的创立精神既为雄飞五大洲,用今天的话说,便是经济伦理与全球化。。
3. 介绍了小松的成功与失败经验后,我对中国的全球化企业提出了以下的建言:
(A)世界并非一个完整的世界。企业需要承认这个现实,进而包容围绕企业自身的世界多样性,并在其中探寻独自性得以实现之路。
(B)不要醉心于盲目一味地扩散中华思想,仅凭这个要想跟上今日世界的步伐,是难以行通的。
在演讲结束后的晚餐上,我在与大家交谈时提起,最近在日本,前首相田中角荣的“决断与实行之政治”人气有所复活。对此,一位中国人接话说,田中角荣氏因为对恢复日中外交关系做出了决断而受到中国人的尊敬。在气氛高涨的针对两国政治及经济关系的讨论中,我谈及我一贯的主张,战后日本经济的成长正是基于政治民主化之土壤。对方一人接话说:“倘若日本能实行一党独裁政治,说不定决断和实行能做得更好,国家兴许能更加强大呢”“在中国,若过于激成地推行政治的民主化,因国土广大、人口过多,恐将天下大乱,抱有这种担忧的中国人至今亦不在少数”。
美国的大总统选举、英国和欧盟的关系、日本的参议院选举、日中关系的将来也受世界政治及经济动向的影响。政治的世界为理利情而左右。所谓理,是指理念、道理与理想,利意为利益、既得权益、世代间利益,情则是指义理、人情和信息。在孩童时代,我曾抱有成为政治家的志愿,老师却开导我说,政治家对你不合适,还是努力成为实业家吧。再看当今,日本整日陷于无休无止的议论之中而缺乏决断及实行力度,国家将何去何从?这次黑龙江省之旅,让我对日本如何才能搞好理、利、情的平衡工作,如何就日本存在的课题进行决断和实行及其前景不由思绪纷纷。
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